アセアン諸国の地震リスク

日本の生活習慣とは異なる各国の諸状況に応じた視点が必要

建築はその用途によって多くの役割があります。
その中でも『人間の生命』にかかわる機能として、地震などの自然災害から身を守ることが挙げられます。

2022年7月27日 フィリピンM7地震

最近フィリピンでマグニチュード7の大地震があり、建物が崩壊し多くの命が失われました。
ここで日本企業や駐在者が海外生活において、住まい、オフィス、工場など建築関連で気になるポイント『地震へのリスク』についての理解、回避のポイントとして以下の5点を挙げたいと思います。

1.地震発生の少ない場所の選定
2.敷地や周辺エリアの地盤状況把握
3.建物の倒壊を少なくする建築的構造の工夫
4.敷地内外構の被害を少なくする土木的構造の工夫
5.敷地外インフラ施設の耐震強度やバックアップ機能の確認

上記2から5については行政や専門家に対する調査が必要がありますが、1については下記のデータが参考になります。マグニチュード3の小規模以上の地震発生場所を示しています。


これによると、青色で示したエリア、太平洋とインド洋に挟まれた南シナ海に面したベトナム、タイ、マレーシア、インドネシアの地盤が安定していることが分かります。海外ビジネス拠点をアセアン諸国のどこに配置するか、『地震へのリスク』という側面からの見解です。

その他の自然災害へのリスクとして台風についても挙げられます。
赤道に近いインドネシアやマレーシアは気象的に台風が発生しないエリアに該当することは拠点設置のメリットのひとつです。
ここでも、日本の生活習慣とは異なる各国の状況に応じた視点が求められます。

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