空間をグルメやショッピングのようにカジュアルに日常生活に取り込む『空間さんぽ』プロジェクト。
この『空間さんぽ・X』では、ビジネスに役立つ空間価値の魅力的な事例について紹介しています。
今回紹介するプロジェクトは中央ジャカルタにある高級インドネシア料理レストラン『Seribu Rasa』です。
植民地時代の邸宅をリノベーションしたメインダイニング、中庭、離れにより構成された分棟式のガーデン建築です。

エントランスからのアプローチは非日常空間への誘いを演出し、さらに高い天井や家具、照明、装飾はローカル産でありながらも特別な空間体験を補強する設えです。

一方で、メニュー自体は一般的なインドネシア料理をベースとしていながらも、一品ごとの単価は通常レストランよりも3~4割程度は高く設定されています。
客層、利用形態、客単価は、いずれもハイエンド仕様で、ローカルのインドネシア人のみならず、外国人にも頻繁に利用される人気店となっています。

このレストランは既に高級インドネシア料理店のブランディング・イメージを確立し、ジャカルタ周辺でチェーン展開を果たしています。特別な時の特別な空間を特徴づける空間付加価値がビジネス展開に浸透している成功例のひとつです。