半導体産業でアグレッシブな成長を続けているTSMC。
TSMCの成功の鍵は、生産機能のみに特化したファウンドリービジネスモデルにあります。
企業ホームページによれば、
『TSMCブランドでの設計、製造、販売を一切しないことで、お客様(発注者)との競争を排除し、お客様(発注者)のサクセスを重視してきたこと』
とあります。このTSMCのような ファウンドリー(foundry)企業成長の背景には、その発注者であるファブレス(fabless)企業の存在があります。そこでは、発注者は製品の企画・設計・マーケティング・販売などの業務を行い、製品生産はファウンドリー(foundry)企業に委託する生産システムが採用されてきました。アップルのようなメーカーもそれに該当します。

OEM、ODM、OBMでビジネスモデルを最適化する
製造業務の委託については、ODM、OBM、OEMなどがあり、それは製造作業の外部委託をどう設定するかにより以下のタイプに分けられます。
1.OBM(original brand manufacturer)
ブランド所有者は、設計、デザイン、エンジニアリング、製造、マーケティングの全般を行い、アウトソーシングを限定的にするタイプ。
2.ODM(original design manufacturer)
ブランド所有者は、マーケティングや販売活動のみに集中し、設計、製造などは専門技術者へアウトソーシングするタイプ。
3.OEM(original epuipment manufacturer)
ブランド所有者は、設計、デザイン、製品仕様、およびその他の生産の詳細を製造者に提供しアウトソーシングするタイプ。

いままでのグローバル化では、国内拠点のアウトソース先として海外拠点が整備されることが多かったのですが、コロナ禍で顕在化したロックダウンや活動制限による不可抗力リスク、円安による為替リスク、海外人件費の高騰やインフレなどによる物価リスクなどにより、BCPに対応した海外生産拠点の整備や海外拠点を国内へ戻す動き、あるいはTSMCのような外国企業による日本への投資の動きが活発化し始めています。
このような状況下で、新規プロジェクトを構想する際には、OEM、ODM、OBMの在り方を見直し、顧客価値を最大化できる事業コンセプトが持続可能な事業展開の礎になってきます。
ブランド所有者の事業価値最大化
私たちは、日本国内のみならず海外を含めた国際的なサプライ・バリューチェーンの構築への戦略的なテクニカルサポートを行っています。『ものづくり』におけるOEM、ODM、OBMの各レベルで設計、デザイン、製品仕様、コンストラクション管理を行い、ブランド所有者の事業価値最大化にコミットします。